What is Shinshu?

真宗大谷派の思想を批判するブログ。批判とは、否定ではなく「なぜそのような考え方をするのか」「なぜそれが正しいのか間違っているのか」を論じること。

国家の守護と宗教

 中外日報の記事です。ネットのリンクは時が経つと切れてしまうので、本文も載せておきます。

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持続化給付金、京都仏教会が反対声明 憲法違反を指摘

2020年6月10日 16時45分

京都仏教会は9日、新型コロナ禍で事業収入が減少した事業者に対する持続化給付金の対象に宗教団体・法人を追加する問題について、憲法政教分離規定違反を指摘し、信教の自由を護るため、宗教団体は同給付金を求めるべきではないとする声明を発表した。

同仏教会常務理事会と同会の研究機関「宗教と社会研究実践センター」がまとめた。

 「京都仏教会」の理事には大谷派は入っていないようなので無関係ですが、こういうことも考えておく必要がありますね。持続化給付金の話を聞くとありがたいなと少し思ってしまいますが、確かに信教の自由を縛ることにもつながりかねません。この反対声明に対して賛成とか反対とか言うつもりはありませんが、このような声明が出るということはいいことだと私は思います。

 古代仏教が中世化するなかで、国家の経済的保護を失うかわりに自由を手に入れたという流れの逆バージョンといったところでしょうか。確かに宗教団体と国家が結びつく良い機会になりかねないようにも思われます。

 ところで私たち僧侶は本山への上納金を払った挙句に経済的保護も受けることもできず、しかも思想的な自由さも十分に確保されているとはいえません(議論の場がない)。「信教の自由」を損なう宗教と国家の結びつきは大谷派にとっても避けるべきことだと思いますが、しかし末寺が経済的保護を国家から享受できない代わりに本山がその役割を担うべきではないでしょうか。末寺の経済的保護は本山の役割であるとまでは言いませんがこんな状況で援助や減免がないのはありえません。「護持」されるべきものについて、私たちはまだ何一つ話し合ったことがないのではないでしょうか。