What is Shinshu?

真宗大谷派の思想を批判するブログ。批判とは、否定ではなく「なぜそのような考え方をするのか」「なぜそれが正しいのか間違っているのか」を論じること。

大谷派の「寺院活性化」へ物申す

先日しんらん交流館から頂いたたより(2018年3月31日発行)には「寺院活性化支援室」なるものの紹介がされていました。過疎や人口減少に伴う寺院の斜陽が問題となっている昨今ですが(そもそも寺院や僧侶を不要とする社会の流れの元凶を「過疎」「人口減少」に限定してる時点で世の中を見る目がない)、その問題に取り組むために大谷派では「寺院活性化支援室」が設置されているらしいのです。

そこが何をやってくれるのかというと「過疎地域の寺院を対象に講師派遣を通じて教化活動を支援!」と書かれているではないですか。

「お寺でお役立ち講師派遣」では、過疎地域の寺院への教化活動支援として、寺院の要望に応じた専門知識や技術をもつ講師を派遣します。派遣にあたり、寺院の現状を把握するため、住職・寺族をはじめ、ご門徒との事前打ち合わせを充分に行います。現在、京都教区出雲組と長崎県五島列島にある寺院で講師派遣に向けた準備を進めています。

つまり、寺院を活性化させるために、専門知識や技術を持った講師が本山から派遣され、その派遣の前に状況把握のために打ち合わせを行う必要があるらしいのです。しかしそのレポート(http://jodo-shinshu.info/category/ganbaru_entry/temple-katudou/)を読む限りでは具体的な講師派遣はいまだ実現されていない模様。現状では、「事前打ち合わせ」だけが行われているみたいですね。寺院とご門徒の橋渡し的な感じで、いろんな要望やアイディアの出し合いみたいなのがこの「打ち合わせ」で行われているようですが、「たんなるアイディア大会なのでは...?」という印象が拭えない感じですね。しかも、このレポートもなんだか旅行記のような。

門徒さん=総代さん?

まあ、話し合いもありかなーと思うけれど、こういう会に立ち会ってくれる門徒さんはだいたい親切で寺院に好意的な方がほとんどじゃないでしょうか。こんな話し合いをどれだけ重ねても現状の打開は私は無理だと思っています。お寺に来ない人の意見や、それを想像する力が最もいま寺院に必要とされているのではないのでしょうか。想像力がない、っていう人が取る選択肢は頭脳を磨くか滅びるかの二つですね(そういうことは成功してる人は教えてくれません、いまや潰し合いの世界なので)。

「元気なお寺セミナー」が流行っている中、みんな「総代さんと話し合いをした!」とか「門徒さんとともに」とかしきりに言っているけれども、それは「門徒さんたち」というか「一部の門徒さんたち」。仮に「総代さんたちがいいと言ったので、行事を増やして、門徒さんたちにも掃除や御斎の準備や兎に角いろいろ手伝ってもらうことになった」という決定が「話し合い」でなされたとして、「話し合い」の場に来るのは寺院に好意的な門徒さんたちばかりなのでお手伝いもしてくれるし、そういうことには賛成してくれるかもしれないけれど、そうではない門徒さんたちにとっては違う。勝手に決められた決定によって役割を与えられて、さらに寺に不信感が増すだけだと思います。

よくわからないけど「話し合い」をすればどうにかなる、とまだ寺院関係者は思っている。しかし、それではもう手遅れ。

「過疎」を解決してくれる専門的な知識って何だろ

この過疎地域の寺院活性化のための専門知識をもつ講師、というものに具体性を感じない。そんな超人どこにいるのだろうか、どうやって育てるのだろうか....。まあ、こういうことは実績をもって証明していただく他ないでしょうね。がんばってもらいたい。でもさ、この講師ってのもどういう出自なのか気になりますよね。本山経由でわざわざ派遣されて来るようなおそらく僧籍をもった人がくるんでしょうけど、そういう人って結局そういう行動が可能な状況にあるってことはその人自身日々のお勤めに空きがあるってことじゃないですか。忙しい寺で経験を積んでいる人はそういう講師になる暇はないし、結局そういう講師になるっていうこと自体その人自身が暇なお寺にいるっていうことなんじゃないのかなあと素人ながら感じてしまいました。正直にいうと、忙しくしてるお寺の人の振る舞いとか経営方針とかの方が気になるところだし、講師になるためのちょっとした研修を受けたみたいな人が来ても本気で悩んでるお寺の人は困ると思いますね。

元気なお寺、って何だ

たち戻って考えたいんですが「元気なお寺」ってなんなんでしょうかね。子ども会とか、催し物やってると活気あるお寺みたいに見えたりするけれど、本当のところどうなんでしょうか。そういうところも寺院関係者は冷静に判断すべきなんじゃないかなと思います。門徒じゃない人を集めて子ども会とか学習会みたいなことしても、実際に寺院を支えるための収入にはならなかったりするし、まあ効果はあるかもしれないけれど遠回りすぎる...。寺院活性化=人が集まる!って考えてるだけではたぶんダメですね。

しんらん交流館、って呼び捨てにしてんじゃねえよ

個人的に、このしんらん交流館という存在自体どうかと思うんですよね(名前自体「しんらん」と呼び捨てにすることにも違和感を感じるし、「真宗交流館」ではなぜいけないのだろうか)。もっと世の中の弱い人の役に立つようなことをしてもらいたい。「こども食堂」の開き方とかノウハウとか、それか宗門内のセクハラ・パワハラ相談窓口の案内とか(ちなみに解放運動推進本部は差別問題を取り扱う部門だそうですが、「宗門内」の差別問題には全く取り合ってくれません)、そういうことやってくれたら本当に助かるなあって思います。

ほんとうにコミュニケーションを大事にしているのなら

それこそ本山の方針とか教区のあり方とか、箱モノを作ることに関することとか、そういうことを本山が門徒さんたちと話し合うべきなんじゃあないんでしょうか。それに知らない間に「今までの金額だと維持できないので」っていう理由でいろんなものが宗門内で値上がりしている中、単に値上げするだけじゃなくていろいろ方策を考えろよって思いますね。ほんと、腹立たしいです。ホテルに泊まれる金額で同朋会館に泊まらせようなんて、人や門徒さんたちをバカにしているとしか思えません。

本山ってほんとに過疎化を解決してくれるの?

ちなみに西本願寺ではこういうのがあるらしいです。

http://www.hongwanji.or.jp/source/pdf/jiin-kinko_02.pdf

寺院復興金庫ですって。困ってる寺院に援助してくれるみたいです。上にあるのは貸付のリストですが、助成のリストもあるので、興味のある方は本願寺派のサイトにいけば見れます。それと無知なんで申し訳ないんですが、大谷派にはあるのかな?知ってる人教えてください!(ないなんてことはないと願いますが....)