What is Shinshu?

真宗大谷派の思想を批判するブログ。批判とは、否定ではなく「なぜそのような考え方をするのか」「なぜそれが正しいのか間違っているのか」を論じること。

東本願寺が出したコロナ対策の指針が甘いので付け加えてみた

 先日、法要の中止だけを述べるのではなく本山がコロナ対策のガイドラインを早く示せばいいのにと書いたところ次の日に感染防止に向けての指針が公式サイトに載せられていたので引用しておきます。ただ、現場で法務をしている人の発想ではないなという感じの形式的な指針なので、私からアドバイスできる具体的な案をあとで追加しておきます。

このたび、法要(葬儀・法事等)における新型コロナウイルス感染症の感染防止に向けての宗派指針を取り纏めましたので、感染拡大防止に向けてご門徒や有縁の皆さまと十分にご相談いただき、下記のとおり対応くださるようお願いいたします。

1 法要前には必ず、手洗い・手指の消毒を厳守ください。
  また、参列者にも同様に手洗い・手指の消毒を徹底いただくよう依頼ください。
2 常に咳エチケットを心掛けるとともに、勤行・読経の際にもマスクを着用ください。
  また、参列者にも同様にマスクの着用を徹底いただくよう依頼ください。
3 感染リスクを減らすため、3つの「密」を避けてください。
 ① 「密閉空間」を避けるために、できるだけ換気をしてください。
 ② 「密集場所」を避けるために、参列者にできるだけ間隔をあけて着席するよう促してください。また、お焼香も間隔をあけるよう配慮ください。
 ③ 「密接場面」を避けるために、間近での会話や対面による会話を可能な限り、避けてください。※法話は一定の距離(2メートル以上)をあけてください。
4 法要終了後のお斎(会食)は控えてください。
5 37.5℃以上の発熱や体調の優れない方には、法要への参列を控えていただくよう依頼ください。
6 新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方の通夜・葬儀等を執り行うにあたっては、
  国の方針(※厚生労働省が示す「新型コロナウイルスに関するQ&A(関連業種の方向け)令和2年4月15日時点版、3.遺体等を取り扱う方へ」等)を踏まえた上で
  医療機関や葬祭場とも連携をし、感染防止のための衛生対策に努めてください。
7 日常的な自己管理を徹底し、感染症の媒介者とならないように留意ください。
8 新型コロナウイルス感染症への対処法を正しく理解し実行することで、
  差別や風評被害が広がらないように努めてください。
以 上

とのことです。法事に関する私からのアドバイスを以下に記しておきます。 

法事(法要)に関して…

 大前提として、今の状況のなかで必ずしも命日通りにする必要がないため可能であるならば延期してもらった方がよい。自分の法事でクラスター感染が起こってしまっては亡くなった方自身も悲しむでしょう。すでに予定されている分に関しては難しいけれど、今後の新規の法事に関しては延期を提案するべし。

 どうしても行わなければならない場合、空間の狭い自宅での法事は控えてもらい、お寺の広い空間を提供し、ソーシャルディスタンスを最大限とり、換気をして行う。自宅での法事を強く希望する場合には、しっかりと間隔がとれるかどうか、換気を完璧に行えるのかどうかを確認した上で行う(この確認作業を通してリスクの大きさを理解してもらえる)。また通常の次第ではなく30分ほどに短縮して行うことが望ましい。正信偈は御門徒と共に勤行せず、僧侶のみが勤行する。お斎に限らず、お茶なども遠慮する方が良い。

葬儀に関して…

 葬儀については葬儀屋との連携のもとで十分に対策を行う。控え室の窓や戸を開け、お茶なども遠慮した方が良い。会場の換気状態に関しても確認し、不十分であれば葬儀社スタッフに伝えておく。また手持ちの消毒液でマイクなども消毒しておく(スタッフにお願いして撥や経机なども消毒してもらうとよい)。家族葬の場合、小さめの会場を使用することがあるが、可能であれば大きい会場に代えてもらうよう葬儀社の方に相談するとよい。遺体にあまり近づかない方がいいので、枕経や出棺の時には十分気をつける(亡くなった方の死因がコロナウイルスかどうかは確信が持てないため)。

 こういう状況のため、初七日や四十九日を併修する場合であっても長時間行わず、通常の式次第に従った方が良い(さらにいうと和讃などを省略し、通常よりも短縮した方がいいように思われる)。あまりに長いと参列者の不安が増し、嫌われることになる(これは通常時でも言えることですが)。

 都市部においては普段から御門徒とコミュニケーションの取れていない僧侶には、この状況では葬儀の連絡さえこないかもしれません。火葬後に事後連絡がくることでしょう。それは各人の営業努力の結果として受け止めざるを得ませんが、これは収入に響く問題なので本山にも対応していただく方がいいかもしれませんね(ただ都市部だと他の地域よりもお布施や院号、納骨堂などの面でかなりいい思いをしている部分もあるのでなんとも言えません)。