What is Shinshu?

真宗大谷派の思想を批判するブログ。批判とは、否定ではなく「なぜそのような考え方をするのか」「なぜそれが正しいのか間違っているのか」を論じること。

同朋会館のポスターが最悪な件について

まずはこのポスターを見ていただこう。 これは東本願寺から私のいる寺に送られてきたポスターである。われわれの宗門では本山に御門徒が参詣し、清掃活動を行ったり教えを聞いたりする研修が行われているのだが、これはそのことを宣伝するポスターだ。女性に…

大谷派が“是旃陀羅”という言葉を使い続けることへの疑問

宗門機関紙『真宗』2023年2月号から3月号にかけて書かれていた「解放の教学」という記事について少し疑問に思ったことがあったため久しぶりにブログを更新することにする。執筆者は本廟部出仕・儀式指導研究所研究員の竹橋太という方だったのだが、この方が…

自力考(中島岳志『思いがけず利他』感想)

気がつけばブログを一年間も放置していた。とりわけ忙しかったわけではないが相対的にいのち主義や日和見の差別発言などが大きく減り、機関紙もなんとなく思想的なことよりかは歴史的な記述が多くなったように感じ、特にネタにするようなものがなかったとい…

自己と他者の共通点

今回は機関紙『真宗』9月号の「求生」というコラムに掲載されていた難波教行氏の「共通点」という文章と2017年の『ともしび』に掲載されていた松林至氏の「セカイ系という風潮のなかで」という文章を批評する。 難波教行氏は、事象の「共通点」を見つけるこ…

親鸞と鬼神ー芹沢俊介は宗門に必要だろうかー

先日は三橋尚信氏のとんでもない誤読について指摘し、思いの外すぐに反応があったので驚きました。まさか当ブログの指摘により真宗会館の動画が編集されるとは思いませんでした。つまり、私が思っている以上にこの批評ブログは影響力を持っているということ…

大谷派と『夜と霧』〜歴史的悲劇は「自己啓発」に変わってしまった

私は長年、フランクルの『夜と霧』に言及する僧侶の話に違和感を抱いてきた。 先日新聞の記事でこのような文章を目にした。「近日驚いたが、今日の意識の高いビジネスマン向けの書き手には、名高いフランクルの『夜と霧』ですら、ナチスの絶滅収容所を生き延…

何から何まで最悪な真宗会館の動画(その後の対応)

再度、この動画について記事を書いてみたいと思います https://www.youtube.com/watch?v=fZzRQOhG8uM&feature=emb_err_woyt この動画、前回はブログに貼り付けできるようになっているのに、現在では「他のウェブサイトでの再生は動画の所有者によって無効に…

歎異抄の「そくばくの業」を誤解する凡夫現るwww:三橋尚伸氏の「束縛からの解放」を視聴した感想

この宗門は法務をしている僧侶を蔑ろにします。代わりに心理学者や医者、カウンセラーなどの経歴を持つ人を重用したりするんですが、今回はそれが裏目に出た最悪な動画を発見したので皆さんにお知らせしたいと思います。 www.youtube.com 「そくばくの業をも…

「死後の世界」はオカルトでしか語れないだろうか?それとも沈黙すべき?

コメント欄に批評の依頼があったので、今回はそれを記事にしてみようと思います。コメントは以下のとおりです。 インターネットに気になる記事があったのでご意見を伺いたいです。2020年の6月に大谷派の僧侶となったという、1970年生まれの医師の死生観の記…

コメントへの回答

丁寧かつ喜ばしいコメントを頂いたのでお答えしようと思います。 初めまして。真宗を学ぶにあたって、大谷派の先生や法話を検索する中で本日このブログに辿り着きました。 「無量寿イコール“いのち”」と押さえ、“問い”や“自己批判”に帰結することが多くある…

真宗を非学問化してしまった罪

以下のようなコメントを頂きました。組織論や金銭に関する話題についてはコメントがあるものの、思想的な問題はなぜかうけが悪いのでこのようなコメントを頂くととても嬉しいです。 「また多くの大谷派僧侶のように、無量寿を「いのち」と解釈しているようで…

大谷派の途方もない自力主義

「親鸞仏教センター通信」に「自分の足跡を消さない」というタイトルのコラムがありました。書いたのは親鸞仏教センター研究員の谷釜智洋という方でした。 コラムでは以下のような孤野秀存の話が紹介されていました。 人が聞けば、何だ、と嘲りを受けるよう…

現実を受容しない私の存在は罪なのか

東本願寺の教学研究所研究員の難波教行氏の法話(「しんらん交流館たより」2020年第五号収録)はとてもよかった(これは皮肉ではありません)。差別問題についてはこれまでたびたび言及してきましたが、難波氏の法話は筋の通った、「教え」のある法話だった…

東本願寺のハラスメントに対する矛盾した態度〜広河隆一の問題をめぐって

東本願寺が、セクハラで問題になっていた広河隆一氏の講演動画の配信をしていたことに苦情があったらしく今回配信停止が決まったそうです。以下が宗務総長但馬弘のコメントですが、いくつか問題点があるので記しておこうと思います。 2020年8月6日更新 しん…

東本願寺の企画調整局参事 橋下真氏の「ご本尊」という法話に対する感想

先日、批評のための資料が本山からたくさん送られて来ました。同朋新聞や「今日のことば」などの各種リーフレット、くだらないチラシ等・・・そしてインターネットで配信されていた「いま、あなたに届けたい法話」が収録された冊子です。本山から法話が配信…

東本願寺の「なんちゃって」政治

最近不躾なコメントが多いように感じますが、コメントをくださるだけでも嬉しいので良しとします。できましたら「批評をお願いします」という丸投げだけでなく、皆様がどのようなことをお考えなのか書き加えてくださるとありがたいです(具体的になければ「…

「正しさの暴力」を過剰に主張し、さらに迷う

ある意味で一部の読者の目には当ブログは他者を批判し傷つけ「正しさの暴力」を振るっているように見えるかもしれません。「正しさ」、正当性を盾に批判ばかりしてはいけない、過剰な暴力になってしまうという言説は昨今至る所でみられますし、実際には保守…

たったの五億〜〜〜〜〜〜!!!!????

私たちの宗門は五億円ぽっちの減額でケリをつける気みたいですよ。(2020/7追記:宗議会を通さず勝手に更に五億円減額だそうです) 真宗大谷派の宗会(常会)は僧侶議員でつくる第69回宗議会と門徒議員でつくる第67回参議会で、2020年度の各種予算案をはじめ…

大谷派本山東本願寺での終わりなきパワハラ

さーて、新聞社のサイトは時間が経つと風化しちゃうからしっかり文面を未来の果てまで残して「自覚」の道を切り開かなくちゃ!! 真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)で人権問題を担当する部署の職員が部下を怒鳴りつけるなどのパワハラ行為を繰り返…

「批判」嫌いの人たちにその意味を教えてあげましょう

今回大谷派機関紙『真宗』7月号の楠信生氏の文章に当ブログへの「応答」が確認されたので、返答のつもりで記事を書きます。特に名指しされたわけではないのですが、どうみてもそのようにしか思えなかったので(とっても嬉しいです!)。ついでに、批判イコー…

国家の守護と宗教

中外日報の記事です。ネットのリンクは時が経つと切れてしまうので、本文も載せておきます。 www.chugainippoh.co.jp 持続化給付金、京都仏教会が反対声明 憲法違反を指摘 2020年6月10日 16時45分 京都仏教会は9日、新型コロナ禍で事業収入が減少した事業者…

変わったコメントを頂いたので、「人に生まれた意味」について考えてみました。

以下の通り、いつもと少し違うコメントを頂きました。 初めまして、いつも興味深く読ませていただいております。下記は慶讃テーマのリーフレットの文面です。ご意見をお聞かせいただけましたら幸いです。(ちなみにまだ公開されていないものです)「南無阿弥…

真宗大谷派本山東本願寺は各寺院から徴収する本山納金を減額するべきだ

コロナウイルス感染症で減収となった中小の宗教法人を対象に給付金が支給されることになるそうです(2020/7追記:未だ検討中とのこと)。国はこのような給付金を出すそうですが本山はどう出るのでしょうか。全国で三ヶ月間法要が開けなかったため、影響を受…

「疫癘の御文」は真理を説いているのか?

前回の記事「コロナで死んでも、それはコロナのせいじゃないらしい」で問題にしましたが、「疫癘の御文」ってそんなにいつも引用しなければならないほど素晴らしい文章なのでしょうか。私親鸞聖人は言うまでもなくとても尊敬していますが、蓮如上人は少し素…

前回のブログの反響が凄い(本山納金の取り立てについて)

前回書いた記事「集金目的の慶讃法要と納金の取り立て」がtwitterで少し拡散されたり、Facebookでもシェアしてくださったおかげでかなりの数の閲覧があったようです。このことは大谷派のみならず、本願寺派の方も共感してくれているようで問題の根深さと、い…

集金目的の慶讃法要と納金の取り立て(コメントを頂きましたので返信申し上げます)

前回の記事(安倍政権と親和性の高い大谷派 - What is Shinshu?)に対して丁寧なコメントを頂きましたのでアフターコロナ、コロナウイルス感染症の収束後の相続講や一般寺院(末寺)の問題について言及しておきましょう。頂いたコメントは以下の通りです。 …

東本願寺が出したコロナ対策の指針が甘いので付け加えてみた

先日、法要の中止だけを述べるのではなく本山がコロナ対策のガイドラインを早く示せばいいのにと書いたところ次の日に感染防止に向けての指針が公式サイトに載せられていたので引用しておきます。ただ、現場で法務をしている人の発想ではないなという感じの…

安倍政権と親和性の高い大谷派

また素晴らしい法話を聞いてしまった。しかし、その前に少し提起しておきたいトピックがある。近頃コピーライター糸井重里への批判が多く寄せられている。散々持て囃されたコピーライターが実は平成に置き去りにすべき遺物だったことに国民は気がついたのだ…

コロナで死んでも、それはコロナのせいじゃないらしい。

新型コロナウイルス感染症拡大の中このブログを読んでくださっている物好きなみなさん、いかがお過ごしでしょうか。本業がリモートとなり、ゆったり毎日を過ごしているのですが「“ともに”と叫ぶ本山はこんな時にいったい何をしてくれるのかな」と思って本山…

「お寺を活性化させるためにはお寺を活性化させなければならない」

と内なる小泉進次郎が囁いている。支援員制度を作ったものの「何をすれば良いのかわからない」という困惑の声が上がっているらしい。会議を重ねて何を役割とするのかということを話していそうだが、「有識者」や「過疎対策の担当者」がもはや無能だからなの…